能と整体
幽玄の世界と癒しの COLLABORATION
整体ルームに能面を飾る理由
高尚で難しく、触れ合う機会もあまりない……そんなイメージを持たれがちな能。しかし、能と実際に触れ合うと、まるで現実から逃れて神社にお詣りするときのような、私たちの生活の身近にありながらも、日常とは異なる世界へと、静かにいざなわれます。
独特な時の流れに自らを置き、自分の時間をより豊かなものにしたい……そう願う人にこそ、能を堪能していただきたいと思います。
さくら整体では季節ごとに2つの面を飾っています。その時々の『儚さ』『憂い』『可憐さ』『意外性』を、施術とともにどうぞご堪能ください。
世阿弥の心
世阿弥は父の観阿弥と共に、南北朝から室町時代初期にかけて、能を形や内容を洗練された芸術に確立した能楽師です。
世阿弥は容姿と才能に恵まれ、時の権力者である三代将軍足利義満の庇護を受けて役者としての才能を開花させます。また完成度の高い劇作にも挑戦し、その作品たちは、現在もほぼ当時のままで上演されています。
世阿弥は生涯の中で芸能に関する著作を数多く残しています。
その中で最も有名なのが風姿花伝です。
風姿花伝は日本最古の演劇論だと言われています。その内容ですが、能の上達方法や心構え、見せ方といった事柄が、世阿弥独自の解釈によって記されています。
世阿弥は能において、人を感動させる力を「花」と表現していました。現在でもよく使われる「秘すれば花」という言葉は、この書物の中の「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」という一節から来ているとされています。
後世まで引き継がれて人々を魅了している世阿弥の「花」と、さくら整体の「花」を重ねて感じていただけたら幸いです。
能と整体のCOLLABORATIONしたきっかけ
株式会社さくらの代表、荻野の父は警察官の傍ら、趣味で能面作りをはじめました。
39歳の頃に習いはじめ、現在74歳で50を超える能面や浮流面を制作しています。
造形だけまねるのではない、魂のこもった面は見る人の心をを魅了します。
この素晴らしい面たちを、たくさんの人に見て頂きたい…
そう思い、リニューアルした整体ルームに能面を取り入れようと決めました。
新聞に掲載
長崎新聞さんに取り上げていただきました。(2021.11.21)
愛らしい小面、女性の悲哀を秘めた般若ー。照明を抑えたモノトーンの部屋に2枚の能面が浮かび上がるのは、長崎市大橋町のさくら整体。代表兼整体師の荻野あゆさん(39)の父親が作った能面とコラボレーションした空間に今月、生まれ変わった。
父親の長田友光さん(72)は警察官だった30数年前から、趣味で能面作りに打込んできたが、近年展示機会が減少。「もっと多くの人に見てほしい」と荻野さんの愛ある計らいで、展示が始まった。
「『能面は怖いと』思われがちだが、非日常的な空間でリラックスして」と荻野さん。四季折々の行事に合わせた能面や浮流面を飾る予定で"癒しのバリエーション"も増えそう。